“組織変革のビジョン (光文社新書)”(金井 壽宏 著)

BOOK


組織変革のビジョン、読了です。
題名の通り、組織変革を成すために必携の方位磁石となるような、かといって安易にこうすればよいといった内容を記したハウツー本ではない、そういった1冊でした。

 

本を読む際、気になるパートやあとで読み返したいパートにマーカーを引くようにしています。
マーカー箇所が尋常じゃなく多く、非常に学びの多い内容であったと感じます。
まだまだ未熟な私には、一回読んだだけでは咀嚼しきれない、あるいはまだそんな段階ではない、ということだったのかもしれません。

 

それにも関わらず、学びを得られたというこれだけの充足感を生み出しているのは、
金井先生の絶妙な表現に拠るところが大きいと感じます。

 

本文中には、以下の内容がつづられています。

 

どんな組織にしたいのか、どんな姿を目指すのかは、やはり言葉で表現しなければならない。
~中略~
黙っていても行動と背中を見ていればわかるという面もあり、そのことを否定はしない。
しかし、思いを「言語化」できることは、変革や運動のリーダーシップを執るうえで重要なことだ。

 

まだまだ言葉を紡ぐ力が不足していると感じます。
(故にこうして恥を忍んでアウトプットを重ねているわけであります)

そういった面からも、学ばせていただいた一冊でした!

 

以下抜粋
①新人とは知らない文化と出会う文化人類学者であり、エスノグラファー(民族誌作成者)である。

②トップが大きな絵を描き、人々を巻き込み、ミドルがその絵と両立する自分なりの絵を描き、さらに若手を巻き込んでエンパワーする、そこで顧客との接点である現場で顧客が喜んでくれる真実の瞬間が起こり、それが上にフィードバックされて会社もトップも元気になる

③安定こそ不安定であり、不安定が安定である

④コラボレーションとは、違った考え方、違ったアイデア、違ったイメージ、違った発想法の出会いといえ、その個性の出会いを何とか丸く収めてしまおうとするのではなく、お互いの個性をぶつけ合い、火花を散らすことで、イノベーションやエボリューションが起こる

⑤コミットメントには善玉的なものと悪玉的なものがある、善玉的なものは会社や商品への愛着で、悪玉的なものはもう何年もここにいるからとか、他社で通用するスキルがないとか、そういったものである

⑥組織とは何かと質問されたとき、組織図のようなハコものをイメージする人が多いが、組織とは単なるハコものではないし、組織変革は、組織図を変えるだけで達成されるものでは、決してない

⑦組織に所属するものは、インコンピテエンス(無能)レベルまで昇進する

⑧節目節目にはいつも無能レベルがあり、そこで一皮むけるかどうかが大きなポイントになるため、自分は無能レベルに達したという厳しくて目を逸らしたい認識を持つことから、次のレベルへの挑戦が始まる

⑧その会社でうまくいった人がほかの会社で勤まりにくくなっていたら、それも「適応は適応力を阻害する」という一例になる

⑨意識する存在にとって、生存するということは変化することであり、変化するということは経験を積むことであり、経験を積むということは、無限におのれ自信を創造していくことである

⑩キャリアとは、ある人の生涯にわたる期間における、仕事関係の諸経験や諸活動と結びついた態度や行動における個人的に知覚された連続である

⑪個人が変わらなければ組織は変わらないということから、変革にまつわる様々なアプローチは、臨床心理学的なアプローチにまで行きつくことが多い

⑫「終わった」という認識がないと、変革のドラマは何も始まらない

⑬企画段階から、変化の影響力をいちばん受ける人を参加させておけば反対が起きないようなことでも、それを怠ると変化への抵抗力が発生する

⑭日本社会は金平糖の角を落とすような議論が多い

⑮複数のミドルが同時に声を上げれば、社長は裸である自分に気づきやすいし、リスク分散にもなる

⑯集団で考えるとかえって深く考えずに決定がなされてしまうことが、集団浅慮である

⑰ストレスが高くなるほどパフォーマンスがよくなるが、ある一線を越えるとパフォーマンスは低下するという、ヤーキーズ=ドットソンの法則

⑱今は役目を果たしていないのに残っているものが、機能的残滓である

⑲戦略的自律性は、研究者がどういった研究領域を選び、何をテーマにするのかを自分で描ける自由にかかわり、戦術的自律性は、ある研究領域のテーマに、どのような手法でアプローチするかの判断にかかわり、自分の道具箱の中にあるツールを自由に選べる自律性につながっている

⑳任せ方に問題のあるケースは、戦略的自律性と戦術的自律性の需要と供給がちぐはぐになっている状態である

㉑王たるもの、大海の水を飲み干すぐらいの気持ちと、同時に砂浜の砂粒が一粒ずつ見えることの両方が必要

㉒変革型リーダーシップのエッセンスは、ビジュアルな大きな絵(地図)を描き、その絵の実現に向けて、それを緻密にアジェンダ項目に落としていって、人々を巻き込むことである

㉓変革というのは、一回うまくいけばそれでOKというものではないため、変革を企業文化に定着させることを怠ってはいけない

㉔地図やビジョンの中の分析的側面や数字(IQ部分)と、冒険を支える心(EQ部分)がうまくかみ合わさって初めて変革がうまくいく

㉕新しいアイデアへの反対は、新しいアイデアが古い価値観を破壊するから起きてくる

㉖最悪のダジャレだが、「イーダーシッペ」という言葉は、アクセントのつけ方次第でリーダーシップに聞こえる、言い出す側にも、自らリーダーシップを執るつもりがあるのかどうか、覚悟はいる

㉗「いいアイデアだ」とは簡単に言わないほうがいい、もし言うのであれば、「よし、やろう」につなげるか、「権限を与えるからお前がやれ、俺が全責任を持って後方支援する」のどちらかにしていただきたい

㉘実際にほかの人々に動いてもらうのに必要なパワーは100なのに、権限からは60しか得られない場合、不足の部分を補うには応援団の働きが必要で、応援団を獲得するには、ポリティカルな行動が必要になる

㉙リーダーシップとは、どんなに悪いニュースであっても、最終的にはいい結果になるだろう、と人びとを納得させられる魅力である

㉚上に立つ人が自分で思っているほどには、夢やビジョンを語っていると部下には思われていないのだ

㉛「あるから買われないという類の知識」と「あるおかげで怖い世界にも挑戦できる類の知識」があり、後者が大事だ

㉜やる限りはとことんやる、リーダーの極限追求の重要性はさることながら、メンバーに極限追求してもらうことが肝心だ

㉝おだてて二階に上げた後でハシゴを外し、下から火であぶる

㉞変革そのものの学校は、実際に何事かを変革する仕事体験なのだ

㉟ビジョンの作り方のハウツー本はあるが、人々を鼓舞するビジョンを作った名経営者たちは、そんなハウツー本を使ったわけではない

㊱自分自身の価値、欲求、期待、希望、夢に対する理解も深まっていないのに、どうして社員の心を動かすようなビジョンを描くことができるだろうか、ウォルトディズニーがディズニーランドの構想について語ったとき、彼が思い描いていたのは遊園地ではなく、幸せの場所だった

㊲ルーチンの小さな計画が、節目で描くべきより大きな計画を駆逐するという、計画のグレシャムの法則

㊳大半の個人の発想や行動パターンが変わらないと組織は変わらない、しかし大半の個人の変化を導く人物が不可欠だ、だから、変革型のリーダーシップの話なくして、組織変革の議論を尽くすことはできない

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