“福岡市を経営する”(高島 宗一郎 著)

BOOK

福岡市を経営する、読了です。
現役の福岡市長、高島宗一郎氏の著書です。
最近方々から注目されている福岡市をいかにして生まれ変わらせたのか、彼の具体的な取り組みや思想が鮮明に描かれた一冊でした。
中でも、大切だよなぁと感じたのは、リーダーの仕事である決断をした際、その決断にいかにして納得感を出すか、と言うパートです。
さまざまな価値観の人間が同時に存在し、なおかつ特定の層に絞った方針を執ることが許されない行政の立場では、どんな政策を立てようとも、三方善しとは行きません。
そんな中で最も重要になるのは、いかにしてその政策への納得感を生み出すか、と言う点になるそうです。
本文中では、それを格闘技になぞらえて説明されていました。
格闘技で相手を本当に倒そうとした場合、最終的には寝技になるようです。
相手の動きを止め、逃げられない様に固定し、関節を決めることでギブアップに至る、
と言うのが相手を倒すことだけを考えた先に待っている光景らしいです。
しかしその様をテレビや会場で見た場合、多くの観客は一切何も見えず、わけもわからず、何だかよくわからないが、決着がついている。
そういった状態になってしまいます。
理詰めで合理的な判断でありながら、市民に納得感を生み出せない政策はこのように生まれます。
一方高島氏が意識したのは、プロレスのように政策を行うことです。
プロレスは、格闘技でありながら攻めと受けの攻防があり、技のひとつをとっても寝技よりダイナミックで、都度レスラーがリアクションを取る間もあります。
ゆえに、観客に勝敗に対する納得感が生まれやすく、楽しむことが出来ます。
「行政のプロであるならば、今、行政が何をしようとしているのかを市民が分かるようにする工夫も大切だと思っています。」
高島氏の政策にはプロレスの美学が反映されています。
この考え方は、多くの企業活動にも転用できるのではないでしょうか。
プロジェクトを推進するには、さまざまなステークホルダーとの利害調整が発生します。
このときに、寝技で完膚なきまでに叩き潰すのではなく、プロレスのように、ステークホルダー全員が納得して決断を受け入れられるようにすることが、プロジェクトの成功に大きく寄与するような気がしました。
そんな気付きを与えてくれた1冊でした!
以下抜粋
①エベレスト山頂の景色は見るものを圧倒する美しさだが、その景色のリアルは低酸素濃度により物の数分で命を落とすデスゾーンである
②友達とは誰なのか、苦しいときにこそ見えてくる
③若いリーダーがどんなに夢やビジョンを語っても、実績が無いから説得力が無い
④福岡市がスタートアップを支援するのは、リスクをとってチャレンジする人のためにリソースを使うから
⑤虫の視点で悲観せず、鳥の視点で判断する
⑥発信力を上げるためにはシンプルに伝えることが大切
⑦平時にはボトムアップのリーダーシップを、有事にはトップダウンのリーダーシップを、とリーダーシップを使い分けることが大切である
⑧年齢ではない、どれだけ仕事に真剣なのか、である
⑨自軍の戦力を見極めて、負ける戦いはしない
⑩批判よりも提案を、思想から行動へ
⑪開業3年以内の企業は全体の8.5%だが、それらの企業が生み出す新規雇用の割合は37.6%である
⑫明日死ぬかのように、今日を生きる

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